こんにちは、庭木の剪定ドットコムのYoshinoです。
コロナ禍でおうち時間が増え、ご家族で過ごされることが多くなりましたね。
植物を部屋の中に迎えたり季節の草花を植えたりと、植物と触れ合う機会が増えて、あらためて植物から癒しを感じるという方や、庭に植えられていた木を間近に感じて、お手入れに挑戦してみようと思っている方も増えているようです。
今年は例年になく梅雨入りが早い地域も多く、なかなか庭木の剪定がままならないのではないでしょうか。
今日は、公園で拾ってきた松ぼっくりを大事に育てている方から、
こちらは北海道札幌市なのですが、剪定時期が分からず困っています。 どのタイミングで剪定したら良いか、教えて下さると助かります。
とご質問をいただきましたので、「マツのミドリ摘み」についてお話してみたいと思います。
マツのミドリ摘み
マツの幼木写真をご覧ください。松ぼっくりから立派なマツの幼木になりましたね。
①は一昨年伸びた枝、②は去年伸びた枝です。
マツは手入れをしないとこのように一年で枝を勢いよく伸ばしていきます。
急に枝数も増えていますね。
では、今年の枝はどれでしょうか?見つかりましたか?
今年伸びる枝の元になる芽が小さく出ていますよ!見つかりましたか?
④の先端に小さく見える⑤です。この芽がもう少し伸びてくると、皆さんが4月~5月頃によく目にする松のミドリになっていきます。
一般的なマツの剪定作業でしたら、このミドリがもう少し伸びて来た頃に、枝の勢いを調整するためと、枝の伸びる方向を決めるために「ミドリ摘み」という作業を行います。
この写真からでははっきりしませんが、もしも松ぼっくりが2つで、株元が2つに分けられるようでしたら、3つの仕立て方で全く大きさの違う仕立て方ができますので、2つに分けられることを前提にお話ししていきます。
マツの仕立て方1.
マツや針葉樹は、葉の無い所で剪定すると新しい枝が出て来なくなるので、左側の枝は③の脇芽のある枝元で剪定することしかできません。
一番勢いの良い枝の脇芽でしたら枝を切ることで少し枝の勢いを抑えられるかもしれませんね。
今年は脇芽の直ぐ上で切り戻し剪定をして、その他の枝の中で、これから作っていきたい必要な枝を残してその他は切るようにしましょう。
今年伸びてくるミドリを学習ソフトの基本編の中の上級に記載されている松のミドリ摘みを思い出して剪定してください。
次に、右側の枝です。
マツの仕立て方2.
⑤のミドリが伸びてきたら、ミドリ摘みをしてください。これから作りたい方向を意識して、必要な方向に伸びていくミドリを残していきましょう。その後は、毎年ミドリ摘みと「冬のもみあげ」を繰り返して行ってください。
小さな芽
マツの仕立て方3.
こちらはチョット面白い仕立てが出来るかもしれません。
これは盆栽のような仕立て方に挑戦です。左の枝の株元の③を見てください。
小さな芽が出ていますね。この幼木が元気でしたら、この芽の直ぐ上で枝を切ってみましょう。その後、この枝が伸びて、ミドリが出てきたら、皆さんがそれぞれ思い描く樹形をイメージしてミドリ摘みをしてください。
直幹仕立て、玉ちらし仕立、右下に枝を下方向に張り出たせる樹形も作っていけますね。
剪定の基本と樹木の性質を知っていれば、皆さんが思い描く樹形に仕立てていく事が出来て楽しみが広がります。こんな応用にも是非チャレンジしていってください。
剪定の仕方は、本当にいろいろあります。
どういう仕立て方、樹形にしたいかを考えて思うように剪定できるようになったら、本当に楽しいですね。
PS.ご質問をいただきました読者様からお礼のメールをいただきました。
丁寧で分かりやすいご説明有り難うございました。
拾った松ぼっくりがこんなに大きくなってビックリ!
どうしたものかと思案していました…。
初めての松の剪定に挑戦してしてみます!